春にまとめて済ませたい!ノミダニ、フィラリア予防・狂犬病予防注射・健康診断について

春が近づくと、動物病院ではノミ・ダニ、フィラリア予防や狂犬病予防注射の相談が増えてきます。どちらも愛犬・愛猫の健康を守るうえで欠かせない対応ですが、実はこの来院のタイミングこそ、健康診断を一緒に考えていただきたい時期でもあります。
動物は体の不調を言葉で伝えることができません。見た目は変わらなくても、内側では静かに異変が進んでいることがあります。予防のついでに全身を診てもらうことで、気づきにくい変化を早めにとらえることができます。
この記事では、春の予防シーズンにこれら3つをまとめて取り組むべき理由と、愛犬・愛猫の健康を守るためのポイントについて解説します。
4~6月は狂犬病の予防注射月間
狂犬病は、感染した動物に咬まれることでウイルスが体内に侵入し、発症するとほぼ100%死亡するという非常に恐ろしい感染症です。犬だけでなく、すべての哺乳類がかかる可能性があり、人間も例外ではありません。感染後は発熱や咬傷部位の痛みから始まり、やがて恐水症状や神経症状があらわれ、最終的には昏睡状態に至ります。発症してからの有効な治療法は現在もなく、予防が唯一の対策です。
日本国内では現在、狂犬病の発生はありません。しかしアジアを中心に世界のほとんどの地域では今も流行が続いており、海外から国内へ持ち込まれるリスクは常に存在しています。かつて日本でも多くの犬と人が狂犬病で命を落としていた歴史があり、予防接種の徹底によってわずか数年で撲滅に成功した経緯があります。その教訓を忘れずに、接種を継続することが重要です。
こうした背景から、日本では狂犬病予防法により、犬の飼い主様に毎年1回の予防注射を受けさせることが義務づけられています。毎年4〜6月は「狂犬病予防注射月間」として全国で接種が呼びかけられています。愛犬を守るだけでなく、地域全体の安全を維持するためにも、この期間中に接種を済ませておきましょう。
まだ今年の接種がお済みでない方は、ぜひお気軽にご来院ください。
ノミ・ダニ予防は「春」から「通年予防」へ
ノミやダニは気温が15℃前後を超えると活動が活発になります。日本では3〜4月頃からリスクが高まり始めるため、春は予防を開始する重要なタイミングです。近年は温暖化の影響で発生時期が早まる傾向もあり、早めの対策が求められます。
春から夏にかけてのイメージが強いノミ・ダニ予防ですが、当院ではノミ・ダニ予防を通年(一年中)行うことを推奨しております。
その理由は、冬場でも暖房の効いた室内はノミにとって快適な繁殖環境となるからです。「室内飼いだから大丈夫」と思われる方も少なくありませんが、ノミやダニは飼い主様の衣類や靴底などを介して室内に持ち込まれることがあるため、完全な室内飼育でも油断は禁物です。
ノミやダニの害はかゆみや皮膚炎にとどまりません。ダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)やバベシア症など、命に関わる感染症を引き起こすこともあります。さらにSFTSは人にも感染する可能性があり、ペットだけでなくご家族全体の健康を守るうえでも途切れのない予防は欠かせません。
予防薬にはスポットタイプや内服タイプなど、体質に合わせて選べる種類がございます。重症化のリスクを避け、大切な家族を守るために、今から一年を通した継続的な対策を始めましょう。
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蚊が飛び始めたら要注意!フィラリア予防
春の訪れとともに、もう一つ忘れてはならないのが「フィラリア症」の予防です。
フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫が心臓や肺動脈に住み着き、放置すると命に関わる重篤な症状を引き起こす恐れがあります。
予防のポイントは、蚊が発生してから「1ヶ月以内」に投薬を開始し、蚊がいなくなった「1ヶ月後」まで継続することです。地域にもよりますが、多くの場所で春先から初冬までの期間、毎月一回の投薬が必要となります。最近では温暖化の影響で蚊の活動期間が延びているため、余裕を持ったスケジュールでの開始が推奨されます。
また、投薬を開始する前には必ず「血液検査」を行い、体内にフィラリアがいないことを確認しなければなりません。もし感染している状態で予防薬を飲んでしまうと、死滅した子虫が血管に詰まるなど、激しいショック症状(副作用)を引き起こす危険があるためです。
この「事前の血液検査」を行うタイミングこそ、健康診断として全身の血液チェックを行う絶好の機会でもあります。一度の採血で、フィラリア検査と病気の早期発見につながる健康診断を同時に済ませることができるため、愛犬への身体的負担を最小限に抑えられます。
当院のフィラリア予防薬は、おいしく食べられるおやつタイプをご用意しております。
投薬のストレスがなく、毎月のご褒美として楽しく予防を続けられるのが特徴です。食いつきが心配な場合や、詳しい与え方については、お気軽にスタッフまでお問い合わせください。
予防とあわせて健康診断も
犬も猫も、言葉で体の不調を伝えることができません。見た目には元気そうでも、血液検査や画像検査を受けてみて初めて異常が見つかる、ということも珍しくありません。健康診断は病気を「なってから治す」のではなく「なる前に気づく」ための手段です。
健康診断では主に、問診・身体検査・血液検査・尿検査・便検査・レントゲン検査などが行われます。特に血液検査は肝臓や腎臓などの内臓機能を数値で確認でき、定期的に受けることで体の変化を経時的に追うことができます。「いつもより少し高い」「去年より下がってきた」といった小さな変化も、継続したデータがあって初めて見えてくるものです。
受診頻度の目安は、6歳くらいまでは年に1回、7歳以降のシニア期は半年に1回が推奨されます。犬と猫では老化のスピードが異なりますが、どちらも人間より早く年をとるため、定期的なチェックがより重要です。
狂犬病予防注射やノミ・ダニ、フィラリア予防のために来院されるタイミングは、健康診断を同時に受けていただくのに最適な機会です。わざわざ別で予約を取る必要なく、春の来院時にまとめて済ませることができます。年に一度の「健康チェックの季節」として、ぜひ活用してください。
まとめ
春は、狂犬病予防注射・ノミダニ対策・フィラリア予防・健康診断をまとめて受けるのに最も適した季節です。一度の受診でこれらを一気に対応できれば、忙しい飼い主様にとっても大きなメリットになります。そして何より、動物は体の異変を自分では訴えられません。定期的に体をチェックすることが、早期発見・早期対処への最短ルートです。
見た目では気づきにくい変化も、検査データには正直に現れます。「とくに心配はないけれど、念のため」という気持ちで受診されることが、結果として愛犬・愛猫を守ることにつながります。
当院ではその子ごとの状態に合わせた対応を心がけています。この春、まずはお気軽にご来院ください。






